共働きでも遺族年金はもらえる?子ども3人の家で早見表を作った
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この記事の結論
- 共働きでも、残された人の年収が原則850万円未満なら、遺族年金を受け取れます。
- 子ども3人(18歳の年度末まで)なら、遺族基礎年金は年1,416,200円(2026年度)。子が18歳の年度末を迎えるたびに減ります。
- 妻が亡くなった場合、夫が遺族厚生年金を受け取れるのは原則55歳以上。55歳未満なら子が受け取ります。
- 遺族厚生年金は2028年4月から見直しの予定。18歳の年度末までの子を育てている間は、今と変わりません。
この記事を書いた人
神奈川県在住、共働きで子ども3人を育てています。この記事は、わが家の年金や保険の話ではありません。「共働きだと遺族年金はもらえないのでは」と気になり、子ども3人の共働き家庭のケースで、受け取れるかどうかを整理しました。
この記事でしたことは、日本年金機構の遺族年金ガイド(令和8年度版)と厚生労働省のページで、受給の条件・金額・改正の内容を確かめたことです。実際に受け取れるかは、個別の状況で年金事務所が判断します。
ママ 共働きで私にも収入あると、遺族年金ってもらえないんじゃないの?
パパ それが、年収で線が引かれてるみたい。夫と妻どっちが亡くなったかでも変わるから、表にしたよ。
早見表:子ども3人の共働き家庭の場合
前提は、子ども3人がみんな18歳の年度末より前、亡くなった人が会社員(厚生年金に加入中)で、保険料の納付の条件を満たしている場合です。
| 亡くなった人 | 残された人 | 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 |
|---|---|---|---|
| 夫 | 妻(年収850万円未満) | 妻が受け取る(子3人分の加算つき) | 妻が受け取る(年齢の条件なし) |
| 妻 | 夫(55歳以上・年収850万円未満) | 夫が受け取る(子3人分の加算つき) | 夫が受け取る |
| 妻 | 夫(55歳未満・年収850万円未満) | 夫が受け取る(子3人分の加算つき) | 夫は受け取れず、子が受け取る |
| 夫か妻 | 年収850万円以上 | 受け取れない | 受け取れない |
年収850万円の基準は、日本年金機構の遺族年金ガイドで「原則として年収850万円未満の方が該当」とされているものです。残された人がこの基準を超えると、亡くなった人に「生計を維持されていた」とは認められず、残された人は遺族年金を受け取れません。
その場合に子が受け取れるかどうかは、子の生計維持の認定によるので、年金事務所で確認してください。
パパ えっと…妻が亡くなったとき夫が55歳未満だと、遺族厚生年金は夫じゃなくて子に出るんだって。
ママ えっ、同じ共働きでも夫と妻で条件が違うの?
遺族基礎年金:子ども3人だといくら?
遺族基礎年金は、亡くなった人に生計を維持されていた「子のある配偶者」か「子」が受け取ります。ここでの子は、18歳になった年度の3月31日までの子(障害等級1級・2級の子は20歳未満)です。
| 子の人数(18歳の年度末まで) | 計算 | 年額(2026年度) |
|---|---|---|
| 3人 | 847,300円+243,800円×2+81,300円 | 1,416,200円 |
| 2人 | 847,300円+243,800円×2 | 1,334,900円 |
| 1人 | 847,300円+243,800円 | 1,091,100円 |
| 0人 | 支給終了 | 0円 |
子の加算額は、1人目・2人目が各243,800円、3人目以降が各81,300円です(遺族年金ガイド令和8年度版より)。厚生労働省の発表では、2026年度の年金額は前年度から1.9%の引き上げです。
上の子から順に18歳の年度末を迎えるので、3人きょうだいの場合は年額が段階的に下がり、一番下の子が18歳の年度末を迎えると遺族基礎年金は終わります。
遺族厚生年金:額と条件
遺族厚生年金の額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。会社員として加入中に亡くなった場合は、加入期間が300月(25年)未満でも300月として計算します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受け取れる順番 | 子のある配偶者 → 子 → 子のない配偶者 → 父母 など |
| 妻が受け取る場合 | 年齢の条件なし(子のない30歳未満の妻は5年間のみ) |
| 夫が受け取る場合 | 妻の死亡時に55歳以上。受け取り開始は原則60歳から |
| 夫の例外 | 遺族基礎年金と一緒に受け取る場合は55歳から受け取れる |
子のある妻、または子のある55歳以上の夫が受け取っている間は、子には遺族厚生年金は出ません。夫が55歳未満なら、遺族厚生年金は子が受け取る形になります。
子が18歳の年度末を過ぎたあと(妻の場合)
遺族基礎年金を受けていた妻が、一番下の子が18歳の年度末を迎えて遺族基礎年金を受けられなくなったとき、40歳から65歳までの間は中高齢寡婦加算として年635,500円(令和8年度)が遺族厚生年金に加算されます。夫の厚生年金の加入期間などの条件があります。
65歳以上になったら
65歳以上で、自分の老齢厚生年金も受け取れる場合は、自分の老齢厚生年金が全額支給され、遺族厚生年金は自分の老齢厚生年金に相当する額が支給停止になります。
共働きで自分の厚生年金が多い人ほど、65歳以降に受け取る遺族厚生年金は小さくなります。自分の老齢厚生年金の方が多ければ、遺族厚生年金は出ないことになります。
2028年4月からの見直し(2025年の年金制度改正)
2025年6月に成立した年金制度改正法で、遺族厚生年金の男女差をなくす見直しが決まりました。厚生労働省によると、施行は2028年4月の予定です。
- 18歳の年度末までの子がいない配偶者は、原則5年間の有期給付になります(女性は2028年度末時点で40歳未満の人から。男性は60歳未満が対象)。
- 有期給付の間は、今の年金額の約1.3倍になります。収入が少ない人などは、5年後も受け取り続けられる仕組みがあります。
- 18歳の年度末までの子を育てている間は、今の制度と同じです。子が18歳になったあと、さらに5年間、有期給付などの対象になります。
- 遺族基礎年金の子の加算額は、年約23.5万円から約28万円に増額されると説明されています。
- すでに遺族厚生年金を受け取っている人は、影響を受けません。
子ども3人の家庭では、子が小さいうちは今と大きく変わりません。ただ、夫の55歳の条件など、男女差の部分がどう変わるかは、施行が近づいたら厚生労働省の資料で確認してください。
ママ 子どもが小さいうちは、今の制度と同じなのね。ちょっとほっとした。
パパ うん。ただ末っ子が18歳の年度末を過ぎたあとの扱いは変わるから、念のため覚えとこう。
正直なデメリット
- この記事は制度の整理で、個別の年金額は計算していません。遺族厚生年金の額は、亡くなった人の給与と加入期間で変わります。ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。
- 生計維持の認定には、年収のほかに「同じ家計で暮らしているか」などの条件もあります。単身赴任などで別に住んでいる場合は、年金事務所に確認してください。
- 2028年の見直しの細かい部分(夫の年齢の条件の扱いなど)は、この記事では確認しきれていません。
次の一歩
- 夫婦それぞれの年収が850万円を超えていないか、源泉徴収票で確認する。
- ねんきん定期便で、2人の厚生年金の加入記録を確認しておく。遺族厚生年金の額の目安になります。
- 子ども3人の家で使える国の制度は、第3子から使える国の制度まとめにまとめています。児童手当の額は児童手当の計算機で出せます。